どうしようもないオタクブログ

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夢見りあむが好きだ。

夢見りあむがネット流行語大賞で15位に入った。

 

これはアイマス史上発の快挙だ(自分が調べた限りではそうです)。

 

りあむは初登場時から、良かれ悪かれ規格外だった。

 

 

総選挙の時からそうだった。

 

ぽっと出で、まだ登場して4ヶ月も経ってなくて、声も曲もSRもSSRもなしで、いきなり三位になった。

 

最近声と曲付きで登場した新アイドルや、未だCGにはなれていないが、根強い人気のある一ノ瀬志希佐久間まゆ、そして俺の担当の鷺沢文香と言った強豪を押さえての堂々の三位。

 

悔しい気持ちはある。鷺沢文香を4~5年応援し続けてきたのに、りあむみたいなぽっと出のキャラに抜かれるなんて、とも思う。


ただ、そんなりあむが、俺は好きだ。

 

いいとこなんてないよう…ちょっと乳がでかいくらい…』とか『痛い名前だなんてわかってるよ!?親に言えよ!ひねくれるのも当然だよう!

 

というリアリティがありすぎる発言をしているにも関わらず、夢見りあむは、アイドルに対しては驚くほどピュアだ。

 

アイドルとは尊いもの』『アイドルの煌めきは努力あってこそ

 

彼女はアイドルとはそういうものだと捉えている。

 


話は少し変わるが、りあむと双葉杏は少し似ていると、俺は思っている。

 

働いたら負けというTシャツを着るほど、怠け者で、だらけている。りあむ自身も、すぐに弱音を吐く点では似ているし、こういう強烈なキャラ付けで、ネットで話題になった所も似ている。

 

ただ、杏とりあむの決定的な違いは、自己肯定感の差だ、と俺は思う。

  

杏は度々『働きたくない』と口にし、『不労所得が欲しい』とも言う。立派なダメ人間の発言である。

 

ただ、杏はりあむのように言い訳をしない。りあむはなにか弱音を吐くと、凄まじい勢いで言い訳を重ねるが、杏はなにもしない。

 

恐らくではあるが、杏は自己肯定感が高い。他者による肯定を必要としない。そしてそれ故に他人に対して依存はしないし、他人からの評価も恐れる事はない。

 

そしてそういう駄目な事を言っても引かれず、呆れられない人間関係を築く能力にも長けている。

 

杏は人間的に強い、と俺は思う。

 

対して夢見りあむは、自己肯定感が低い。

 

Pサマと呼んで媚びてくるし、チヤホヤされたいという承認欲求丸出しだし、自分のいいところは胸くらいだという自虐には『そんなことないよ』という返答が欲しいのがチラついて見える。

 

こうして並べて見ると、本当にひどいキャラだ。他者からの承認や肯定の欲求の奴隷、とさえ言える。

 

りあむのセリフを見る限り、家庭環境に問題があったことは察せられる。

 

人間関係も上手く行ってなかったであろう事は、容易に想像できる。

 

彼女の過去は、失敗だらけなのだろう。

 

失敗だらけの人生を、明るく前向きにとらえることはとても難しい。少なくとも俺には無理だし、出来ない。

 

そして夢見りあむにも出来なかった。

 

故に彼女はアイドルに憧れた。


ぼく、アイドルの現場が好きだったんだ!ライト振ってるあいだは、何者でもない自分を忘れられたし。誇れることがなんにもない自分を忘れられたもん……

 

こんなセリフをデレステでりあむは語っている。

 

大袈裟でなく、彼女にとって、アイドルとは救いで神聖なものなのだろう。 

そんなりあむが、どんな運命の悪戯か、憧れていたアイドルになってしまった。


りあむにはこれといったバックボーンがない。

歴代のシンデレラガール達のように、養成所で頑張っていたわけでもないし、売れない地下アイドルを延々と続けていたわけではない。

目立つ髪色や顔がいい事を除けば、低い自己肯定感と他者に対する劣等感をこじらせたどこにでもいる若者だ。
しかし、誰もが夢見りあむに注目せざるを得ない。


なぜなら彼女は人間の弱い部分の塊だから。


自分が無能だという事実や、誇れるものがなにもないという現実に目を向け続けるのは苦しく、辛い。

だから誰もがその事実や現実から目を逸らし、他者を叩いたり、あるいは『現実なんてこんなものさ』と自分を納得させようとする。

 

しかし夢見りあむはそこから逃げようとしない。

 

自分は弱く無能だと絶えず主張するが、それを誰かのせいにはしたりしない。

レッスンにはすぐに音を上げて、トレーナーからの厳しいアドバイスに涙したりもするが、決して逃げようとしない。

 

『アイドルとは尊いもの』『アイドルの煌めきは努力あってこそ

 

故に彼女自身も尊くあろうとする。努力を重ねる。

 

デレステSSRの特訓後エピソードで、りあむはこんなセリフを言っている。

 

アイドルって尊いよな?推せるよな?救ってほしいよな?
 でもぼくはそれができるほど人間できてない!尊くなんてない!
 だからアイドルになれない!だからアイドルにならない!

 

そう、彼女は自分自身がアイドルたる人間ではない事を、アイドルに相応しくない人間である事を、誰よりも理解してる。

 

しかし、それでも、夢見りあむは立ち上がる。 

 

アイドルではなく、夢見りあむとして。

 

ぼくはアイドルじゃない、りあむとしてここに立ってる!
 ぼくはぼくのまま、『いま』を楽しんでやるって決めたんだ!
 さぁ、りあむのりあむによるりあむのためのステージ、始めるぞ!

 

自身の弱さや薄っぺらさを理解しながら、それでもキラキラしていて厚いバックボーンを持っているアイドル達に並び立とうとしている。

誰もが目を背ける弱さに真っ向から立ち向かっている。


夢見りあむには、それが出来る。

 

夢見りあむのポスター。
 自分のためであってもステージを楽しむりあむの姿は
 誰よりアイドルらしい。りあむはまだ、それを知らない

 

そして、SSRのポスターのフレーバーテキストは、優しい。開き直ったりあむを、静かに優しく、『アイドルとして』応援している。

 

ネット上ではネタ扱いされ、公式からもネタ扱いされる事も多い彼女を、俺はそっと応援していこうと思う。


弱音と本音を撒き散らしながら、それでも走り続ける夢見りあむが、一体どこにたどり着くのか。

今から本当に楽しみで仕方がない。